ファイル共有ソフトとはいったいどんなものなのか?なぜこれほどまでに問題視されてきたのか?利用者にはぜひ知ってて欲しい「リスク」をご紹介します。
ファイル共有ソフトとは、インターネットを通じてネット上に接続している不特定多数のパソコン同士を自動的に接続、ファイルを多数のユーザー間で共有することを目的としたソフトウエアのことです。簡単に言えば、ユーザーの所有しているファイルを検索して、コピーまたはダウンロードができるというソフトで、日本においては一対一でファイルをやり取りすることが多かったため、はじめはファイル交換ソフトと呼ばれていました。
しかし2001年以降は、高速大容量通信、つまりブロードバンドインターネット接続が世界的に発展するとともに、ファイル共有ソフトも大幅に増加しました。 その結果、Winny以降は複数対複数でのやり取りが一般的になったため、ファイル共有ソフトと呼ばれるようになったのです。誰でも簡単に共有できる便利さから、世界的な普及をみせるのですが、一方では著作権のあるデータの共有など、法的な問題も発生してきました。最初にファイル共有ソフトが著作権問題に問われたソフトウエアは、Napsterでアメリカ連邦地裁からサービス停止命令が出され、2001年7月にサービスを停止しました。
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ファイル共有ソフトのWinnyは、わが日本国内でも高い人気を誇っていました。ファイルを暗号化し、データを送受信してファイルの共有をするため、その配布者の特定が困難で著作権の保持された音楽や映画、市販のソフトなど違法に交換する利用者が増え続け社会問題化していきました。しかし、ファイル共有ソフトWinnyの開発者が逮捕され、同時に利用者への取り締まりも進んでいるため、以前ほどの勢いは陰を潜めてしまいました。それに呼応しWinnyと酷似した仕組みで動作するファイル共有ソフトShareが新たに開発されました。しかし現在は、WinnyもShareもともに暗号化及び匿名化の仕組みは解明され、ファイル共有ソフト自体の配布者の特定が可能になったため、一時ほどの勢いはない。
しかしながら、配布者の特定には、それぞれのネットワーク全体で絶え間ない監視を必要とするため、完全特定とまではいけないのが実情です。また監視を始める以前から存在していたり、監視対象となる前のノードから発信されるファイルに関しては、ファイル共有ソフト配布者の特定は不可能であり、お手上げ状態となっています。
ファイル共有ソフト利用の恐るべき弊害は、わが国でも連日のように新聞マスコミ等をにぎわしている個人情報の流出事件です。これにファイル共有ソフトが一役も二役も買っているということを肝に銘じておくべきです。今でも数十種類のファイル共有ソフトが存在し、ありとあらゆるデータがネット上で違法なコンテンツとして普通に流通している現状を考えるとひとごとと見過ごすわけにはいかないのでは?ファイル共有ソフトが構成するネットワークを狙った悪質なコンピュータウイルスが多数登場し、個人情報流出目的で
蔓延しているからです。きっかけとなったのは、2003年に登場した悪質ウイルス、通称「ぬるぽウイルス」ユーザーは知らないうちにWinnyネットワーク上にウイルスを自動的にアップロードする仕組みになっており、一時はWinnyネットワーク上がこのウイルスであふれるという社会事件に発展しました。2004年には悪質ウイルスの持つ自己増殖機構を個人情報流出目的で改悪した「Antinny.G」も登場した。これは感染するとパソコンのユーザー名、組織名、メールアドレス、デスクトップの画像、ファイルなどを自動的に圧縮し、Winnyネッワークに流出させるという凶悪なウイルスでした。今後も利用者のモラルとリスク管理が最重要課題になってきます。
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